たとえば「史記」を読めば、人口数千万人程度で推移していた
古代中国の全様相が概括的には十分に理解できる。長文でありながら、
全中国社会の全様相を、概括的に理解する上での最低限の記事が羅列されていて、
夏殷周から春秋戦国時代、前漢初期に至るまでの中国史が絶妙に取りまとめられている。
そこまで絶妙に、ここ2000年あたりの地球人類史を取りまとめた歴史書などは、
未だかつて編纂された試しがない。ただやたらと長文だったり、ごく一部の史実について
極端に掘り下げて書かれたりしているだけの歴史書はいくらでもあるが、全世界、地球人類の
ここ2000年にわたる歴史を、漠然とその概括が把握できる程度にだけでも総括してくれた
ような歴史書すら、未だかつて編纂されたことも、その編纂が試みられたことすらもない。
それは、いま正統な「歴史学」を取り扱っているともされる、聖書圏由来の洋学者にとっては、
西洋中心の主観的な歴史観に基づいた歴史書を編纂するか、もしくは全世界の歴史を全くの
主観抜きで総括することを通じて、自分たちの救いようのない罪深さと向き合っていくかの、
どちらかでしかあり得ないから、後者を選択することが未だ躊躇われているからなのである。
ここ2000年あたりの地球人類の歴史を総括した優良な歴史書というのは、実際問題、
まだ一度も編纂されたことがない。だからそんなものを提示することもまだできないが、
ここ数百年程度の評価未定状態な世界史も含め、出来る限り客観的な把握に努めた立場として、
嘘偽りのない言葉を述べさせてもらうなら、今の世の中のあらゆる重大問題の原因は、
欧米の白人による、キリスト教の世界的な推進にあると結論付ける他はないのである。
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