
東京芸大という最高峰の技能訓練校の出で、
その音楽的才能に疑問を差し挟む者もほとんどいない坂本龍一の、
生涯における数少ない落ち度の内に数えられやすいのが、政治的な発言や活動。
その思想は基本的に極端な理想主義で、原発廃止など
非現実的な方向に走り過ぎていたのが忌避される最大の原因だったが、
別に人文方面にかけて頭が悪い人間でもないはずなのに、
いざ政治思想を唱えようとなると、どうしてもそうなる。
現実の権力中枢が、あまりにも座学エリートの私利私欲の
貪りの場であることばかりに特化し過ぎてしまっているために、
少しでも理想を追い求める立場からは、全く迎合の余地がなく。
かといって坂本の政治思想が、実現さえすれば何もかもうまくいくような
代物であったわけでもなく、どうせ現実にはほとんど実現不可能であるのを
いいことに、ただの綺麗ごと止まりであることを開き直ってばかりだった。
実践能力皆無な座学エリートなんかに牛耳られているせいで、
どこまででも腐敗ばかりを極め続けるような傾向ぐらいは権力から排された上で、
少なからず理想を追い求める側もまた、より現実との折り合いをつけた、
着実な権力の取り回しに取り組んで行くのでなければならない。
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