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(別スレでも書きましたが)
教養(主義)は随分前に死亡宣告を受けていると自分は思っています。
すなわち、「教養として、みんなが読んでおくべき(価値の高い)書物みたいなものは存在せず、
それぞれ自分の好きなものを勝手に読めばいいじゃん、他人に押しつけんな!大きなお世話だ!」というのが、
現在の世間の主流の考え方だと思います。
(普遍性・正当性・規範性の崩壊と知の島宇宙化・フラット化、価値相対主義)
したがって、本スレも含めて教養について語ること自体に、どこかで“時代錯誤”な臭いがつきまといます。
にもかかわらず、もし今でも教養が必要だと考えるとするなら、
「教養なんてオワタ!という地点から、どうやって再び教養の価値を復活させるか」ということが、
議論の大前提になると思います。
それも単に「昔はよかった、昔に戻ろう」といった復古主義ではなく、現代的な問題・議論・書物も視野に入れること。
自分は伝統の基盤である古典は極めて大切だと思っていますが、
みんなイキナリ古典を読ませても、読めない、興味が持てない、といったことになる恐れがあります。
というわけで、例えば。あくまで一案ですが、
あまり読書習慣のない人には、まず、有名なマイケルサンデル氏の白熱教室の動画(さらに本)あたりから始めるのもアリだと思います。
現代的なテーマを扱った彼の議論は、古典に裏打ちされてもいるので、入り口として適していると思います。
それから、世の中には「本を紹介する本」というのが大量に出回っているので、そういうのも要チェックですね。
文芸春秋編『東大教師が新入生にすすめる本』文春新書、2004年。
小林康夫、山本泰『教養のためのブックガイド』東京大学出版会、2005年。
などなど。
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