俗に言う「頭がいい」とは、大脳側頭葉の情報処理力や短期的記憶力が優れていることを指す。 
 一方で「賢い」とは、大脳前頭葉に蓄えられた長期的な記憶が優良であることを指す。   
 良書をよく読むなどして、前頭葉に優良な情報を蓄えれば賢くなれるが、頭がよくはならない。 
 一方、数独のような脳トレを行えば、頭がよくはなるが、決して賢くなったりはしない。   
 頭の良さと賢さとで、より人間にとって重要なのはどちらかといえば、賢さのほう。年寄りも 
 大昔の戦争体験などの長期記憶はちゃんと保っているのに、昨日食べたご飯のような短期記憶は 
 忘れ去っていたりする。長期記憶を司る前頭葉は衰えていない一方、短期記憶を司る側頭葉は 
 衰えているために、このような現象が起こるが、前頭葉にこそ基本的な生活規範の記憶なども 
 蓄えられているために、前頭葉が衰えた時点で「ボケ」となり、もはや自活力すら失ってしまう 
 のに対し、前頭葉すら健全であれば、側頭葉が衰えて「頭の良さ」が衰弱しても、生活力ぐらい 
 は保てる。だから、側頭葉よりは前頭葉の働きのほうが、より生きる上で重要であるとはいえる。   
 ちょうど、PCのCPUやRAMが破損することよりも、HDが破損して読み書き不能になることのほうが、 
 そのPCを扱っている人間にとっては、より重大な損失になるのと同じようなことだといえる。
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